胸の痛みを伴うしこりは乳がん?
乳房のしこりには、良性と悪性がありますが、触っただけで判断することはできません。良性のしこりとしては、主に乳腺症や線維腺腫が挙げられます。一方、悪性のしこりの場合は、乳がんが疑われます。診断には、超音波検査やマンモグラフィ検査を用いるのが一般的ですが、必要に応じて針生検などの組織検査を行うこともあります。これらの検査結果を総合して、治療の必要性を判断します。
胸のしこりが動く、押すと痛む
乳房のしこりは、その性状によって様々な種類に分けられます。例えば、押すと痛みを感じるもの・感じないもの、よく動くもの・動きにくいもの、ゴロゴロとした感触のもの、表面が滑らかなもの・ザラザラしたものなどがあります。しかし、触っただけでがんかどうかを判断することは難しく、正確な診断のためには、超音波検査、マンモグラフィ検査、生検などの精密検査が必要です。
胸のしこりの原因
胸にしこりが生じる原因は、乳腺症、線維腺腫、葉状腫瘍、乳がんなどが考えられます。
乳腺症
乳腺症は良性の疾患で、ほとんどの場合、乳がんとは関係ありません。ただし、悪化すると画像検査では乳がんと区別がつきにくくなることがあります。その際は、組織検査などでがんか否か判断します。
乳腺炎
乳房に浮腫や皮膚の発赤が見られ、はっきりとしこりが触れない場合、類似の症状を引き起こす疾患として、うっ滞性乳腺炎、産後に発生する急性化膿性乳腺炎、炎症性乳がんなどが考えられます。問診によりこれらの疾患を鑑別します。
線維腺腫
線維腺腫は、組織検査でも葉状腫瘍との鑑別が難しい場合があります。そのため、腫瘍が急速に大きくなる場合は、切除を検討することもあります。線維腺腫は、葉状腫瘍や乳がんに比べて比較的若い年代に発症しやすい傾向があります。
葉状腫瘍
葉状腫瘍は、乳がん全体の1%未満と非常に稀な腫瘍です。そのうち約4分の1が悪性腫瘍とされています。葉状腫瘍の診断は、針生検でも良性・悪性の判断や線維腺腫との区別が難しい場合があります。腫瘍が急速に大きくなる場合は、手術による切除を検討します。好発年齢は乳がんと同じくらいです。
乳腺のう胞
乳腺のう胞のほとんどは良性であり、過度に心配する必要はありません。ただし、のう胞内に非浸潤がん(のう胞内がん)が発生する可能性があるため、のう胞が大きくなる場合には注意が必要です。
胸のしこりの良性・悪性を
判断するために検査を受けましょう
乳房のしこりは、触れただけでは良性か悪性かを判断することはできません。一般的に、若い年齢層では良性の可能性が高く、40代以降の中高年層では悪性の可能性が高まると言われています。胸のしこりが発生した場合はお早めに当クリニックまでご相談ください。