乳腺超音波検査とは
乳がんの早期発見を目的とした検査手法には、マンモグラフィ検査と超音波検査がありますが、自治体の検診などではマンモグラフィがよく使われます。いずれも優れた検査手法ですが、それぞれの特徴が異なるため、メリット・デメリットを考慮して選択することが重要です。
乳腺超音波検査では、しこりの大きさ、周囲のリンパ節への転移の有無など、しこりの詳細な性状を調べるのに適しており、放射線を使用しないため若年層や妊娠中、授乳中の方も受けられます。受診の際の痛みはほぼありません。
最新の機器では、しこりの性質を詳細に分析できる機能が加わり、良性・悪性の判断に役立っています。
乳腺超音波検査とマンモグラフィ検査の違い
乳腺超音波検査では、超音波を使って乳房の内部を画像化しますので、乳房内の病変の有無、しこりの大きさ、周囲のリンパ節への転移の有無などを調べることができます。乳腺密度の高い乳房でも病変が見やすく、良性・悪性の区別がしやすくなります。
X線を使って乳房を撮影するマンモグラフィ検査は、石灰化の検出に優れているのが最大の特徴です。微細なものまで検出可能ですので、小さな乳がんや触診では見つけにくい早期の乳がんを発見しやすくなりますが、乳腺密度の高い乳房では病変が見えにくいことがあります。
乳腺超音波検査とマンモグラフィは互いに補完しあう検査です。ご自身の状態などを考慮し、医師と相談して適切な検査を選びましょう。
良性腫瘍と診断された場合も数か月後に再検査を受けましょう
がんは進行すると治療が難しくなるため、早期発見が重要です。当クリニックでは、乳房のしこりが良性であっても、定期的な再検査をお勧めしています。再検査には、安全性の高い超音波検査を用いており、放射線被ばくの心配がないため、妊娠中や授乳中の方も安心して受けられます。また、超音波検査は圧迫による痛みがなく、シリコンバッグを挿入している方でもバッグ破裂のリスクを気にせず検査が可能です。マンモグラフィは石灰化の微細な変化を捉えるのに優れていますが、超音波検査でも石灰化部位を特定できます。マンモグラフィに不安がある方も、ご相談頂ければ適切な検査方法をご提案いたします。定期的な検査を受け、早期発見・早期治療に努めましょう。
乳腺超音波検査の流れ
- 乳腺超音波検査をご希望の方は、事前にご予約をお願いします。
- 検査当日は受付後、医師による問診を行います。現在の症状や気になる点があれば、遠慮なくご相談ください。
- マンモグラフィと超音波検査を同日に受けられる方は、着替え後は基本的にマンモグラフィ検査を先に行います。(混雑状況によっては、超音波検査が先になる場合もあります。)順番になりましたら、超音波検査室からお呼びしますので、上半身の衣服を脱ぎ、診察台に仰向けになってください。
- 検査のために、乳房に専用のエコーゼリーを塗布します。センサー(プローブ)を乳房に当て、超音波を伝えながら乳房の内部を観察します。乳房の断面層がモニターに映し出され、異常の有無を確認します。
- 両乳房と脇のリンパ節の観察も行います。観察が完了したら検査終了です。タオルでゼリーを拭き取り、着替えてください。
乳腺超音波検査の結果について
検査中に随時ご説明いたします。検査中にしこりが見つかった場合は、必要に応じて細胞や組織の詳しい検査を実施することがあります。
乳腺超音波検査の費用
自費診療の場合
特に乳がんの症状はなく乳がん検診(乳腺ドック)を希望される方は、自費診療になります(検査で疾患が発見された場合は保険診療になります)。
視触診+超音波 |
8,000円 |
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保険診療
乳がんが疑われる症状がある場合は保険診療となります。
視触診+超音波 |
1,910円 |
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乳腺超音波検査についてよくある質問
超音波検査は、授乳中でも受けることができますか?
はい、可能です。ただし、妊娠中や授乳中は乳腺が大きく変化し、検査が難しい場合があります。そのため、検査で異常が見つからなかった場合でも、授乳期間終了後に改めて検査をご案内することがあります。